AI

NECとシーメンス、工場の稼働状態や製品品質をAIを活用して監視・分析するソリューションを提供

日本電気株式会社と シーメンス は9日、IoT領域において協業し、シーメンスのIoT基盤「MindSphere」とNECのAI技術「インバリアント分析技術」を組み合わせた監視・分析ソリューションの提供を開始しました。

インバリアント分析

大規模・複雑なシステムに設置された多数のセンサから大量の時系列データを収集・分析し、通常時に存在するセンサ間の不変的な関係性(インバリアント)をモデル化します。

ここから予測されるデータの変化(いつもの状態)と実際のデータを比較することで、異常(いつもと違う状態)を予兆段階で検出します。
異常発生個所の特定が可能となることで重大事故を防ぎ、従来からの課題となっているCBM(状態基準保全)※を実現し保全の効率化を実現します。

MindSphere

MindSphereは、シーメンスのクラウドベースのIoTオープンオペレーティングシステムです。製品、プラント、システム、機械を接続し、豊富なデータを高度な分析で利用できるようにします。さらに、増え続けるアプリや動的な開発エコシステムにアクセスできます。MindSphereはすべての一般的なWebブラウザーで動作します。


インバリアント分析技術とは

  1. 関係モデルとして抽出した関係性(Invariant)が維持されているかどうかで判断するため、計測データごとの特性に応じて闊値を設定する必要がありません。
  2. 計測データ間の値が関係性に従って変化していれば、 その値の大小によらず正常と判定するので、平常時と繁忙日のような負荷の違いがあっても、 同じ設定で利用できます。

インバリアント分析技術のポイント


従来監視との比較

インバリアント分析技術は従来の監視方式とは異なり、複雑な監視設定やしきい値(警報値)設定が不要なため、運転監視の負担を軽減できます。


ユースケース

<Case 1> 大規模プラント:稼働率向上

広大な敷地に大量の設備を要する大規模プラントは、人手による定期的な巡視点検やIoTによる中央監視が行われています。しかし、人手による巡視点検では点検ミスや微細な変化を見落としがちであり、また中央監視における場合においても大量データから瞬時に異常の兆候を判断することは困難です。インバリアント分析を活用すれば、大量データから、しきい値監視のみでは発見できない微細な変化をリアルタイムに捉え、大きなトラブルが起きる前に対策を取れるため稼働率の向上に貢献します。

<Case 2> 生産ライン:品質向上

大量生産を行う生産ラインでは、温度や圧力、加工時間など個々のセンサデータを取得し、しきい値や傾向分析を行い、品質を一定に保っていましたが、個々のデータの微細な変化を捉えるには経験やノウハウが必要とされ、また膨大な工数が発生していました。
インバリアント分析では、微細な違いでも品質に悪影響を及ぼす変化をリアルタイムで発見し、不良品の大量発生を防ぎます。


監視運用イメージ

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