日本航空電子工業は、欧米で普及の始まっているショート端子レスのインターフェース規格に準拠した車載エアバッグ用スクイブコネクタ「MX72C/Dシリーズ」の販売を開始した。

自動車市場においては、乗客の安全確保や特に欧米での法律改正への対応、および近年の自動運転技術搭載車両の増加により、これまで以上に高度な衝突安全性能が必要とされている。車載用エアバッグは乗員の頭部、膝、側面に加えて、歩行者など保護対象が増加するに伴い様々な箇所への搭載が進んでおり、その数は今後もさらに増加することが予想されている。加えて衝突時の車内では、運転席、助手席乗員へのエアバックの体格適合機能や、乗員を保護するためのシートベルトによる座席への固定、調整機能によっても安全性能を高めている。
車載エアバッグの作動やシートベルトの固定、調整に用いられるインフレータと呼ばれるユニットにおいては、主にAK2規格に準拠したスクイブ(点火装置)コネクタが欧米で使用されているが、よりシンプルな構造のショート端子レスのインターフェースに準拠したコネクタの採用も始まっており、一般的にAK3タイプ、ABX-5と呼ばれている。ショート端子レスのインターフェース規格では、相手側リテーナコネクタにショート端子がなくシンプルな構造になっている他、AK2規格のコネクタとはキー形状も異なっている。
本製品は、すでに発売中のAK2規格対応コネクタ「MX72A/Bシリーズ」で実績のある、スプリングの反力を利用した半嵌合防止機構によるセルフリジェクトタイプのコネクタ。嵌合時にクリック感があり、一度のコネクタ挿入操作で嵌合確認ができるため、作業性の向上とともに不完全嵌合を防止でき、エアバッグ装置の信頼性能向上に繋がる。

一般仕様
極数 | 2極 |
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適用規格 | USCAR-2、USCAR-21 |
使用温度範囲 | -40℃~+100℃ |
コネクタ挿入力 | 45N以下 |
接触抵抗 | 10mΩ以下 |
適用電線 | FLRY B 0.35sq、0.5sq |