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スマートエネルギーWeeK2021開催。全国各地から来場者3万人近く。水素や風力など次世代技術注目

 2021年3月3日~5日にかけて、東京ビッグサイトにて、スマートエネルギーWeeK2021が開催された。太陽光、風力、バイオマスから蓄電池、水素・燃料電池などエネルギー分野8展を同時開催。全国各地より最新の情報を求めて多くの来場者が集まれる展示会だった。来場者数は3日間の合計で約3万人と賑わいを見せた。会期中は毎日、業界を牽引する企業によるセミナーが開催され、例年では1万人以上の業界関係者が市場動向を掴むために聴講に訪れる。会場では、国内外の最新技術・製品・サービスを提供する出展社と、来場者が活発に商談を行う姿も見られた。2021年は、コロナウィルス感染症の影響や、首都圏では緊急事態宣言の最中ということもあり、出展者、来場者ともに感染対策を厳戒にした上で、お目当ての技術に関心を寄せていた。

 水素燃料電池展では、脱炭素社会に向けた動きが社会的に本格化している中で、そのカギとなる水素エネルギーの最新技術が発表・展示されていた。

 岩谷産業は産業・家庭用ガス専門商社であり、LPガスや水素などを取り扱う総合エネルギー企業である。展示会では現在、日本各地に建造している53箇所の水素ステーションや海外での事例、その他、水素を活用した水素充填装置、水素燃料電池船などを発表した。展示会場では水素燃料タンクも展示され、行きかう来場者の目を引いていた。岩谷産業は、1958年には、水素ガス製造を目的に水素製造専業の大阪水素工業(現 岩谷瓦斯)を設立しており、水素エネルギーのリーディングカンパニーの1つでもある。今後の脱炭素社会に向けた究極のエネルギーとも言える「水素」をしっかりと見据え、社会に還元していきたいとしている。

 風力発電展では、陸上や洋上風力などを各企業が紹介。

 大林組は、国内外建設工事、地域開発・都市開発などを手掛ける。今回「風をとらえて未来(あした)を照らす」をテーマに、今後拡大が期待される風力発電所建設に関する最新技術を、パネルや模型、映像、プレゼンテーションなどにより分かりやすく紹介した。風力発電では、昨今、ブレード(風車の羽)が直径130М以上にもなる大型化が進んでいるという。海外では一基1万キロワット超の電力を産む出すものも導入されている。ただ大型化が進むと、どうやって風車を組み立てるかなども問題となってくる。大林組ではウィンドリフト工法という施工方式を発表し、1200トンにも及ぶ超大型クレーンの施工方式までも紹介していた。既に実績もあがっており、秋田県の三種風力発電所で3基の施工をしているという。

 スマートグリッドEXPOも同時開催されており、各社がそれぞれのスマートグリッドに関する発表を行っている。次世代の電力の流れや供給・需要の両側から制御し、最適化できる送電網であるスマートグリッド。その中で会場に入り目を引いたのは、HondaとTOYOTAの展示であった。

 Hondaは、街中で充電し貸し出しもできるバッテリー交換ステーションを提案していた。再生可能エネルギーを利用して発電した電気を蓄え、小型電動モビリティーの動力や、家庭での電源として活用する、着脱可能な可搬式バッテリーだ。必要な時に、必要な場所で電力を使えるようにすることで、低炭素で効率的なエネルギーの利用・活用を目指しているという。Honda Mobile Power Packは、これまでのモバイルパワーパックより電池容量を増大し、1.3KWh以上の大容量電力を貯蔵する リチウムイオンバッテリーのプロトタイプである。使いやすさとハンドリングの良さを追求した形状になっており、多くの場面でモビリティーや機器の動力源として使うことを想定している。

 また会場内には移動式発電・給電システム「Moving e」が展示されており、これは HondaとTOYOTA のコラボで実現した移動式発電所となる。移動式発電所となるトヨタの燃料電池バスと、Hondaの大容量給電器やポータブル電源で構築されている。トヨタの燃料電池バスは、水素量を倍増することで給電能力を向上させている。災害時などはFCバス(燃料バス)で被災地へ行き、このバスで発電した電気を被災地に配ることもできる。実際の災害時には、車内にHondaの給電器やポータブル電源を満載し、後方にある給電口からバスで発電した電気を取り出すといったことも可能となっている。

 普段の生活の中で目にする機会も増えてきた次世代エネルギー。水素自動車などは公共バスなどでも運航されてきている。実際の最先端技術や製品を目の当たりにすると、その変化は着々と進んでおり、今回の展示会はより身近な未来の話だと実感させられる内容だ。

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