「第30回Japan IT Week 春」が5月26日から3日間の日程で東京ビッグサイト青梅展示棟にて開催され、期間中累計で13597人が訪れた。前年の「第29回Japan IT Week 春」は、コロナ禍の中、開催延期が発表され、同年の「Japan IT Week 秋 2020」として春・秋の合同開催としたが、その際は22315名の来場者数があったイベントだけに、新型コロナウィルス感染症の影響の大きさが感じられた。

本展示会は、4月26日~28日で開催予定だったが、またも新型コロナウイルス感染症の影響で開催が延期され、出店規模を縮小し催された。出展者、来場者ともに感染対策を厳重にした上で実施され、入場の受付対応で、多くの来場者が人を介さず、機械による受付で入場をするようになっていた点も感染症対策への配慮が見られた。
今回は『ソフトウェア&アプリ開発展』、『IOT&5Gソリューション展』、『情報セキュリティEXPO』、『クラウド業務改革EXPO』、『AI・業務自動化展』、『組込み/エッジ コンピューティング展』、『次世代EC&店舗EXPO』、『システム運用自動化展』、『データセンター&ストレージEXPO』、『セールス自動化・CRM EXPO』、『Web & デジタル マーケティングEXPO』等の11専門展が同時開催された。 出展各社ともコロナ禍による営業活動の自粛が続いている中、本展示会では対面での商談が実現し、各ブースでは訪れた関係者が新製品の提案や導入などについて熱心に耳を傾けていた。
『Web & デジタル マーケティングEXPO』では、マーケティングオートメーション、AI(人工知能)、Webマーケティング、アドテク・動画広告など、マーケティングに関するソリューションなどが集められた。

ソニーネットワークコミュケーションズ株式会社では、ソニーグループによるAI開発のノウハウから生まれた「予測分析ツール」を紹介。統計アルゴリズムや機械学習を用いて過去のデータから将来の結果を分析する手法で新たなビジネス創出の可能性を示した。会場では予測分析ツール「Prediction One」を展示。これは、顧客データや過去実績をもとに受注予測や需要予測、出荷数予測が可能となっている。受注確率の高い顧客リストを作成し、優先的にフォローすることで営業効率が上がり、専門家でなくても簡単に操作ができる。訪れた関係者は、実際の画面を見ながらデモンストレーションを試していた。同社のホームページによるとすでに申込企業が17500社を超えているという。
『クラウド業務改革EXPO』は、ERP・会計/人事システム、電子決済、ワークフロー、電子請求書/契約書・経費精算、ビジネスチャット・グループウェア、働き方改革・リモートワークなどの製品・サービス などが集められた。
株式会社ミロク情報サービスは、今年3月にリリースした、中堅・中小企業向けクラウド型ERPシステム『MJSLINK DX(エムジェイエスリンク ディーエックス)』のほか、税務業務の効率化を支援するシステム『MJS税務NX-Plus』など、事業形態や規模の異なる企業それぞれに対応した、多彩なソリューションを紹介していた。
『IOT&5Gソリューション展』ではIoTシステムの構築に必要な無線通信技術、センサーや遠隔監視、生産管理などのアプリケーションなど、昨今の話題となっている5Gソリューションについて、各企業が展示を行った。

トーテックアメニティ株式会社では、システム開発における品質の問題・課題を共に解決する「アドバイザリーサービス」や開発者とは異なる視点で行うソフトウェアのテスト「第三者検証サービス」、スピードと品質が求められるアジャイル開発による「品質支援ソリューション」、個々のプロジェクト毎に最適な自動化を支援する「テスト自動化サービス」を自動化デモも展示し紹介していた。

ハギワラソリューションズ株式会社は、産業機器向けのフラッシュストレージメーカーとして、実績を積んできたが、近年では組み込み用コンピュータやマザーボード、IOTゲートウェイを取り扱っている。 今回はストレージソリューション システムの展示も行っており、エッジコンピュータの紹介をする中で、他にもロジテック株式会社やDXアンテナ株式会社など、エレコムグループでのブースとなっており、来場者の興味を引いていた。
『データセンター&ストレージEXPO』では、サーバ、ラックなどデータセンターファシリティ、ディスク装置、運用管理ソフト他ストレージ関連のソリューションが紹介された。

THK株式会社は、機械要素部品の開発・製造・販売を行い、メカトロ関連製品各種、自動車部品、免震システムの開発・製造・販売を行っているが、今回の展示会では、「THK免震体験車」も会場内に設置され、最新の免震システムを紹介。実際に体験している人も多くいた。
『次世代EC&店舗 EXPO』では、通販支援サービスや店舗運営・集客・接客ソリューション、さらにはネットと実店舗の連携サービスなどの製品が多数出展し、 小売業、通販・ネットショップ、飲食・サービス、メーカー、ホテル・レジャーなどの業種の経営、EC、マーケティング、店舗運営、物流関係者の注目を集めた。

パナソニック株式会社では、来客分析サービスVieureka(ビューレカ)を紹介しており、数台から数十億台のIoT機器が繋がる世界を見据えた情報サービスで来場者から注目を浴びていた。本サービスは、PUX株式会社とパナソニック株式会社が共同で開発・サービス提供を行っており、IoT機器を管理し、映像からデータを生成、分析を行うことで、画像解析技術により、来店客に関わる様々なデータを取得し、そのデータを活用して、店舗運営をサポートするものだ。
普段の生活の中で、当たり前のように使われている技術、、日々新しい情報によって更新され、生活の中に溶け込んでいき、その度に生活を豊かにしてくれている。今回の展示会では、最先端技術や製品を目の当たりにすることができる貴重な機会で、技術の進歩を実感させられる内容となっていた。
●その他、会場風景
