自動運転

ルネサス:サラウンドビューやリアカメラシステムに向けた、HDカメラ映像を安価に伝送できる、オートモーティブHDリンクを提供開始

 ルネサスエレクトロニクス株式会社は、NTSCなどの標準画質アナログ映像をサポートする低コストのケーブルやコネクタを使用して、ハイビジョン(HD)映像を伝送できる新しいオートモーティブHDリンク(AHL)伝送技術を開発し、本日より、AHLエンコーダ「RAA279971」とAHLデコーダ「RAA279972」を発売、量産を開始した。

 自動車の運転支援システムにおいては、高精細なHD映像による物体認識機能の重要性が増している。ルネサスは、先進運転支援システム(ADAS)市場のリーダとして、新製品と車載用SoC(System on Chip)のR-CarやRH850マイコン、車載用PMIC(パワーマネジメントIC)とを組み合わせ、サラウンドビューやリアカメラシステムの配線設計をシンプル化することにより、コスト効率の良いシステム開発を可能にする。

 新製品のAHLエンコーダ「RAA279971」とAHLデコーダ「RAA279972」は、変調アナログ信号を用いて映像を伝送する。HD信号をデジタル伝送する場合と比べ、必要な伝送レートは10分の1で済むため、既存のアナログビデオケーブルのツイストペアケーブルや標準的なコネクタを使用できる。一方、SerDesなどのデジタルリンクでは、厳重にシールドされた高価なケーブルやコネクタが必要となる上、5〜7年で交換が必要になったり、曲げ半径の制約により配線の引き回し難度が高くなる場合もある。

 AHLは、ノイズに強く、ビデオデータとは独立して動作する双方向の制御チャンネルを持ち、カメラモジュールの初期化、プログラム、監視を行うことができる。つまり、ビデオ伝送中に同じ一対の非シールドツイストペアケーブル(UTP)を使って同時にカメラを制御することができるため、さらなるコスト削減につながる。デジタルリンクの場合、リアビューカメラのアプリケーションでは、ケーブルハーネスやコネクタアセンブリの故障によってデジタルリンクが劣化し、信号が弱まるとマクロブロックが表示され、表示領域の大部分が見えなくなってしまうことがある。ケーブルを同じ条件で使用して比較すると、AHLリンクが劣化した場合は映像の色やコントラストが変化するが、すべてのピクセルが画面に表示され、車両後方の物体や人物を正確に識別することができるため、安全性を維持することができる。

AHLの主な特長

  • HD映像では最大1080p/30fps、VGA映像では最大720p/60fpsの解像度をサポートし、16:9以外のアスペクト比にも柔軟に対応可能
  • MIPI-CSI2、BT656、DVPの各入出力信号処理により、新旧のイメージセンサに対応できる柔軟なインタフェースを装備
  • 高解像度に必要なクロック周波数を生成可能なPLLを内蔵しているため、27MHz水晶クロックのみで動作が可能

●詳細は下記URLより

https://www.renesas.com/jp/ja/about/press-room/new-renesas-solution-automotive-cameras-enables-high-definition-video-using-low-cost-cables-and

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