中国自動運転技術を手掛ける文遠知行(WeRide)は1月7日、中国広州国際生物島で無人運転ミニバス「Robobus」の正式運用開始を発表した。

ミニバスは、文遠知行とバス製造大手・宇通集団が共同開発し、最高時速40㎞で走行するほか、天候に左右されることなく安全に運転できるとしている。車内には、ハンドル・アクセル・ブレーキがないため、緊急時に乗客が押すことで止まることが可能な緊急制動ボタンを装備している。
現在は、南線と北線を開通しているが今後、西線での開通も計画している。ミニバスの運行は、平日の朝8時から夜10時まで。土曜・日曜は、朝9時から夜6時までサービスを提供する。営業時間内は、10分ごとに発車し、文遠知行のアプリ「WeRide Go」でミニバスの位置と運転状態をリアルタイムで確認できる。

運営初期は、初めてバスを利用する乗客向けに乗務員を配備し、利用方法などの案内を説明する。期間中は、文遠知行の遠隔保障センターがリアルタイムでミニバスを監視することで、安全運転を確保する。

正式運用に繋がった背景として、広州・鄭州・南京などの都市で、一年以上の常態化実証実験を受けた。また、広州国際生物島で2021年4月から文遠知行の社員専用シャトルバスとして運用を始めたほか、2021年6月には、広州においてコロナ期間中の無人配送車として、20日間で500回以上の発車や、生活用品20000件、約100トン以上の輸送を評価した。
文遠知行について
先進的なレベル4の自動運転技術開発を手がける文遠知行は、2017年に中国・広州に本社を設立。北京、上海、安慶と米国のシリコンバレーに研究・運営拠点を置き、800人以上の従業員を抱える。大手自動車メーカー「ルノー日産三菱アライアンス(Renault-Nissan-Mitsubishi Alliance)」と大手バスメーカー「宇通集団(Yutong Group)」からの戦略的投資を受け、中国では初めて、世界では2番目に無人運転車の一般道路上での試験許可を取得した。
2019年11月に広州市黄埔区で一般道路上の自動運転タクシーの試験運行を開始し、約1年の試験運行で自動運転回数14万回超、乗客数延べ10万人超、責任事故ゼロを達成した。2021年1月には、自動運転タクシーの試験運行エリアを広州市中心部の海珠区まで拡大し、無人ミニバスも広州国際生物島と南京で試験運行した。
宇通集団について
中国大中小型バス製造・販売大手の宇通集団は、本部が中国河南省鄭州市にあり、1993年にバスの製造を始め、1997年に上海証券取引所へ上場している。宇通集団は近年、技術レベル4(L4)の自動運転バスにも力を入れている。2019年に中国海南島や河南省鄭州市などの都市でレベル4の自動運転バスを試運転した。
詳しくは下記から
WeRide launches fully driverless Robobus service to the public, pushing ahead smart mobility service with Robotaxi & Robobus operation