インフラ系

Electreon:イタリアでのワイヤレス充電道路が商業化
米国TIME誌の「THE BEST INVENTIONS OF 2021」に選ばれた

 EV車向けのワイヤレス充電技術と「ワイヤレス充電道路」を手掛けるElectreonは、イタリアのブレシアでの「arena of future(未来のアリーナ)」と呼ばれるプロジェクトの一環としての電気道路システム(Electric Road System、ERS)の最終段階が完了したと発表した。ElectreonはEV車向けのワイヤレス充電技術を商業化していく。

 Electreonは2020年10月に、イタリアの有料道路インフラ会社である「Societa’ di Progetto Brebemi SpA」と提携し、ワイヤレス技術を脱炭酸化のソリューションとしてイタリアのインフラ施設に導入することで合意に至った。2020年11月に二社は有料道路をev車のワイヤレス充電施設に変更する「未来のアリーナ」プロジェクトが2021年12月開始すると発表した。
 Electreonの路上ワイヤレス充電コイル及び1MWの電力を備えた1,050メートルの「ワイヤレス充電道路」は、2021年12月に建設と技術的実装が完了された。
 過去6か月間、イタリアのブレシアでの「未来のアリーナ」プロジェクトの一環として、Electreonのワイヤレス技術により、IVECOバスとステランティス(Stellantis)のFiat Nuova 500乗用車が走行しながら充電されたという脱炭素化ためのソリューションとしてのEV車のワイヤレス充電を色々実証した。今後はもっと実証実験を行う。

 イタリアの「未来のアリーナ」プロジェクト以外、Electreonは今年以来、いくつかの国際協力を発表した。
 2022年2月、Electreonはミシガン州運輸省(Michigan Department of Transportation , MDOT)と、アメリカ初となるEV車向けのワイヤレス充電用の公共電気道路システム(Public Electric Road System)について提携したと発表した。この公共電気道路システムは2023 年運営開始されると予定している。
 2022年3月Electreonはフィンランドの大手インフラサービス企業であるDestiaと商用ワイヤレス充電プロジェクトの開発について契約したと発表した。二社は今後、フィンランドでトラックと無線配電車を含まれている商用公共充電プロジェクトを推進する。
 2022年3月Electreonはアメリカユタ州の主なワイヤレス充電研究センターASPIREとの協力を発表した。今年の夏に開始されるプロジェクトの一環として、ASPIREはテストトラックにワイヤレス充電道路のデモンストレーションを設定する。このプロジェクトは、米国運輸省、他の米国当局などにElectreonのシステムを展示する。またElectreonの戦略的パートナーであるJacobsは、米国全土でバスとトラック運送を運営するために、さまざまな顧客との商業取引の促進に取り組んでいる。さらに、JacobsはFordと提携して米国初の電気道路プロジェクトを展開することについて、デトロイト市からの支持を受けた。
 2022年4月Electreonはスウェーデンでの「Smartroad Gotland」プロジェクトを一年間に延長すると発表した。スウェーデン運輸省から、ゴットランド島での世界初となるトラックとバス用のワイヤレス充電道路を延長するために、200万ユーロ(217万ドル)の予算を追加したと発表した。

Electreonについて
 Electreonは、電気自動車(EV)向けのワイヤレス充電ソリューションの大手プロバイダーであり、エンドツーエンドの充電インフラストラクチャとサービスを提供している。同社独自のワイヤレス充電技術により、移動中でも停止中でもEV車が迅速かつ安全に充電でき、コストとバッテリー容量のニーズも削減できる。Electreonは、都市やフリートオペレーターと協力して、CaaS(Containers as a Service、コンテナオーケストレーションをクラウド上で提供するサービスを指す)プラットフォームを開発、公共交通用車、商用車、および自動運転車に効率高い充電方法を提供し、車がスムーズで継続的に利用できることを実現する。
 Electreonの特許技術は、ルノー、ステランティス、イヴェコ、フォルクスワーゲンなどの自動車メーカーの車に搭載されているうえ、2021年11月、Electreonのワイヤレス充電技術は、アメリカTIME誌の「THE BEST INVENTIONS OF 2021」に選ばれた。

引用元:
Electreon’s Wireless Electric Vehicle Charging Technology is Ready for Commercialization after Successful Pilot in Italy’s “Arena of the Future” Project

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